黄道十二星座
誕生星座は3月21日からおひつじ座に
2018/03/21 05:05 ウェザーニュース
見かけ上の太陽の通り道である黄道上にある黄道十二星座の中で、始まりの星座であるおひつじ座ですが、明るい一等星や有名な星がないため、実際に夜空で見たことがない人も多いと思います。
そこで、今回は誕生星座の話とともに、おひつじ座についても詳しくみていきましょう。
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黄道十二星座とその期間
現在の星占いのベースとなっている占星術がまとめられた頃は、「◯◯座生まれ=その人が生まれた時に太陽が位置していた星座」を表していました。
というのも、生まれた時に太陽がいる星座は特別で、その人に影響を与えると考えられていたためです。
ただし、占星術では大きさがバラバラな星座の領域を計算してその期間を決めたのではなく、当時春分点があったおひつじ座を基準に太陽の通り道である黄道を12等分し(黄道十二宮)、1ヶ月に1つ分星座を移動するようにしたので、上の図のような期間で誕生星座が変わるようになりました。
おひつじ座の見つけ方と見頃は?
おひつじ座は2等星が1つ、3等星が1つあるだけで、残りはそれよりも暗い星しかありません。また、星座を見つける目印もないので、中々見つけにくい星座といえます。
おひつじ座を見つける時は、秋の星座を見つける目印となるペガスス座の秋の四辺形(2等星が3つ、3等星が1つ)と、3等星と4等星が6つながらその星の密集度から比較的見つけやすいおうし座のすばるを見つけた後、その間の領域で最も明るい星がおひつじの2等星ハマル(羊の頭という意味)なので、ハマルからヘアピンのような独特なおひつじ座の星座線の形を結んでみるのがよさそうです。
もしどうしてもわからなければ、お近くの天文台等で開催されている観望会などに参加して、スタッフの方に聞いてみるのもいいかもしれません。
今の時期おひつじ座は、日没後の西の空に出ているものの、すぐに沈んでしまうことから観測にはあまり向いていません。
比較的観測しやすい夕方〜夜に空高いところに昇る秋〜冬にかけてが、おひつじ座観測のベストシーズンと言えそうです。
おひつじ座の神話
アタマスは雲の妖精であるネペレーという妻との間に、プリクソス王子とヘレ王女という2人の子供を授かり幸せな生活を送っていましたが、ある時テーベの王女イーノーに恋をしてしまったために、妻ネペレーを追い出して、イーノーを新たな后として迎えることにしました。
はじめ前妻の子供であるプリクソスとヘレをかわいがっていたイーノーでしたが、自身の子供が生まれると次第に前妻の子供を疎ましく思いはじめました。
そして2人を亡き者にしようと、イーノーは農民が植える麦の種を全て炙って芽がでないようにし、それを神の怒りのせいにして、前妻の子供2人を生け贄として差し出すように仕向けました。
突然大凶作になったことに驚いたアタマスは、その原因を把握するために、神官に命じて神のお告げを聞くように命じたところ、事前にイーノーによって買収されていた神官は「プリクソスとヘレをゼウスに生け贄として捧げよ。」というでたらめなお告げを、神の言葉としてアタマスに伝えました。
さらにイーノーは計画を盤石なものにするために、農民達にこの話をもらしたことから、飢えに苦しむ農民が大挙して王宮まで押し寄せたため、アタマスは自らの子供を生け贄として差し出さざるを得なくなりました。
国外でこの知らせを知った2人の実の母であるネペレーは、我が子を助けるために一心にゼウスに祈りました。その様子を見ていたゼウスは、子を思う母の真摯な様子をみて哀れに思い、金色の空飛ぶ羊を助けに出してやることにしました。
生け贄として捕らえられていたプリクソスとヘレの前に現れた黄金の羊が、背中に2人を乗せて飛び立ちました。この時2人を助けた黄金の羊がゼウスによって空にあげられ、おひつじ座となったと言われています。
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